今年2015年、平成27年の夏は猛暑、豪雨、突風などの激しい天気があちらこちらで頻発しています。昨日は兵庫県尼崎市の野球グラウンドでつむじ風が発生。テレビでご覧になった方も多いと思いますが、今まであのような形の風を見たことのある方は少ないと思います。また、次の日には長崎県五島市で一分間に100mm以上の雨が降り記録的短時間大雨情報が発表されました。この雨は50年に一度のレベルだと言われています。このように2015年の夏は天気が変であり、海が変であり、陸では虫も動きが違っています。どうしてこのような状態になっているのか、今後気を付けたいことと合わせてお知らせして行きます。

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台風が変

 2015年8月現在、去年の6月から連続して15ヶ月台風が発生しています。この状況もまた、1965年以来50年ぶりの気象状況です。今年の猛暑と豪雨はこの沢山の台風の発生が大きく影響しています。台風がなぜこれほどまでにも発生するのかといえば、その答えは世界的規模で起きているエルニーニョ、海水温の上昇です。通常海水温はフィリピンの東あたりが一番高く、その近くで台風も発生するのですが、今年はエルニーニョの影響で海水温が高い地域が広くなっています。そのため、今までとは違ってかなり東寄りで台風が発生し、暖かな海水域で発達して日本に向かってきます。勢力が強く、コースも安定せず、次々と発生しています。台風の発生は直接の影響の他に気候全体にも影響を与えています。台風は暖かく湿った空気を日本に送り込むと同時に、近くにある高気圧に力を与えます。エルニーニョで弱いかと思っていた高気圧に力を与え、また、時にはフェーン現象を伴った熱っぽい風を日本各地にもたらしました。東京では連続猛暑日の記録が更新されました。日本全国で猛暑の傾向となったのは、エルニーニョにより絶え間なく発生している台風によるところが大きいのです。現在日本の近くにある台風14号が過ぎ去った後も油断はできません。遙か遠くに二つの大きな雲の塊があり、ヨーロッパ中期予報センターの予想によるならば、20日前後に日本に影響を与える可能性があります。台風は本来秋に多いものでしたが、今年は全く状況が読めません。この先2つの台風もそのコースによって日本に与える影響が変わってきます。西寄りのコースを進み、高気圧に力を与えるようなことになれば、再びの暑さがもたらされます。反対に東寄りに曲がることになれば、寒気からの風が流れ込み、少し寒いくらいの風が吹くかもしれません。いずれにせよ言える事は、2015年、台風が変、ということです。

海の生き物が変

 お盆休みでにぎわう茨城県の海に、メジロザメが現れました。また、静岡県焼津ではハンマーシャークことシュモクザメが確認されました。サメは509種類ありますが、その中で30種類が人を襲うサメに分類されています。メジロザメもシュモクザメも、この30種類の中に入っています。積極的に人を襲うことはないのかもしれませんが、人を襲う可能性はあります。現在海水温は沖縄よりも関東沖の方が高くなっています。サメは餌を求めて黒潮に乗って回遊して来たものと思われます。黒潮の中には餌が少なく、海流の影響もあり、沿岸に近づいているのかもしれません。サメは魚の群れや動くものに興味を示すと言われています。そしてこれもエルニーニョの仕業なのか、海水温が高いがゆえに植物性プランクトンが大量に発生し、そのプランクトンを食べる魚が増え、連鎖的にサメも増えているのかもしれません。様々な要因が絡み合って、この時期の日本の波打ち際にサメがやってきていると考えられています。メジロザメは淡水でも生きることができることで有名なサメです。
 サメ以外にも、一足早くクラゲの被害が多く報告されています。本来はお盆過ぎに多く発生するとされてきたクラゲですが、やはり海水温の高さやプランクトンの発生具合から早めに増えだしたようです。ミズクラゲやカツオノエボシが確認されています。特にカツオノエボシは電気クラゲとも言われており、刺されると激しい痛みを伴います。海岸を素足で歩くのは気持ちのいいものですが、浜辺にクラゲが打ち上げられている場合もあります。状況を見ながら、万が一クラゲが大量に発生しているようだったら、海水浴は中止するようにしましょう。また、浮いているクラゲには近づかない、興味本位で手を出さない、万が一刺されてしまった際には真水では洗わない、すぐに医療機関を受診する、などを徹底するようにしましょう。

夏の虫が変

 夏の虫たちにもおかしな状況が起こっています。今年、あまり蚊にさされたという話を聞かないと思います。あまりに暑いので、蚊は動きが鈍くなっているようです。蚊は水たまりがあって気温が30度前後の環境を好みます。この先気温が落ち着いてくる8月の下旬にかけて、大量に蚊が発生する可能性があります。蚊といえば殆どの場合がヒトスジシマカを刺します。ヒトスジシマカは産卵前に自分の子孫を残そうと必死で人の血を吸います。熱さで体力が弱っている私たちにダメージを与える場合も多いのですが、一番気を付けなければならないのはデング熱です。アジア各地ではデング熱の被害が増えており、例えばベトナムでは12人が死亡、マレーシアでは158人が死亡、フィリピンでも86人が死亡しています。私たちもデング熱にやられないように、すなわちヒトスジシマカに刺されないように細心の注意が必要です。具体的な対策としては、長袖、長ズボンを着用する、虫よけスプレーを活用する、靴下をきちんとはく、などを心掛けるようにしましょう。ヒトスジシマカはお墓や竹林、公園や木陰に潜んで人間が来るのを待ち受けています。刺されないように十分に注意しましょう。

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