父親のイヤだったところ

 誰にでも父親はいるはずです。でも、なかなかどうして、心から好きになれないのもまた父親。私の父親は80歳を超えて未だに元気ですが、かつてはいろいろと悩んだこともありました。


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金がないと育てられた

 何かが欲しくてねだると、「金がない」と言われて買ってもらえませんでした。家は借家で狭く、風呂もない、トイレは汲み取り、そんな家で育ちました。屈辱的だったのは、小学生の時に生活保護の申請書類を担任の先生の所に持って行ってくれ、と言われたことです。子供心にとても傷つきました。家がボロかったので、友人達を呼んでの誕生日パーティーもできませんでした。でも、今になって思い出してみると、行きは飛行機で、帰りは新幹線で、万国博覧会に行ったのです。結構、あっちこっちへと出かけていたのを思い出します。確かに金はなかったのですが、幸せだったのかもしれません。

顔が似てきた

 父は金もないのによく銀行へ行ったり、町内会では役員をしたりしているので、近所に顔が広まっています。私も同様に歳を取ってきましたが、最近近所の方に「お父さんに顔が似てきた」と言われることが多くなりました。妻も同じ事を言います。母は言いません。

金がない

 父親のせいではありませんが、金がないと育てられたせいか、私も現在お金に困る生活をするようになってしまいました。事業で借金を抱え、返済に苦慮する毎日を過ごしています。ですが、一方で年金暮らしの両親は密かに貯金をしているようで、悲しいかな、この親の財産に、もしかすると頼らねばならない、そんな状況が差し迫っています。できるだけ頼りたくはないのですが、若い頃に金がないと育てられたので、一回くらいはお願いしてもいいかな、なんて思っています。なんて情けないのでしょう。

腹が弱い

 私は生まれつき腹が弱く、突然の腹痛に悩まされることがよくあります。これはもしかすると、父親からの遺伝かもしれません。父親も腹が弱く、一日に何度もトイレに行き、母親に文句を言われています。また、旅行に行くと、何も考えずに大好きなビールやコーヒーを飲みまくるので、私の助手席に乗っている時、突然小便をしたいと言い出します。これがまた、考えられない程唐突で、そして限りなく我慢が効かないタイプの尿意で、本人はかわいそうなのですが、運転している側としては、かなり困ることになります。地方ならコンビニを探してあげるのですが、道ばたで何度も用を足してもらったことがあります。特に、年金生活になってからは、症状が強くなって来ました。

神経質

 私はO型、適当な神経質ですが、父親はA型、几帳面系の神経質です。例えば、写真の整理や家の中の片付けを、父親はきちんとします。洗濯物も、自分の分だけ、きちんと畳んでしまっています。部屋の中は小綺麗に片付いています。これは、私と正反対の側面です。私はこの点に関しては父親に似ていません。むしろ母親似、適当です。

運転手

 父は長い間タクシーの運転手として働いていました。最近のコマーシャルで、勤めていた会社のアンドンが出てきて、おそらく喜んでいることでしょう。そんな父を持つ私も、今は運送会社でバイトをしています。運転系の家系なのでしょうか。運転は楽しくて好きなのですが、もっと稼げる、頭を使った仕事をしたいと私は思っています。それができないので、運転手になってしまったのですけどね。

まとめ

 顔が似ている、性格も似ている、やることも似ている、父親はこの世に一人しかいません。若い頃は金がないと育てられたことに怒りを覚えていましたが、もうすぐ他界してしまうかも知れない状況になった今、怒りも収まり、むしろ感謝の気持ちが芽生えて来ました。何かあれば、父親が頼れるのは私しかいません。その時は一生懸命に尽くして上げたいと思っています。


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