大腸がんになったらストマ(人工肛門)になっちゃうのか?
人工肛門は誰でも嫌なものです。できれば人工肛門はつけたくない、そう思う人が大多数だと思います。でも一方で考え方によっては人工肛門の方がいいという場合もあるのです。人工肛門についての知識をあらかじめ得て、適切な判断をしたいものですね。
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ストマとは?
英語ではstomaと書きます。ストーマと呼ぶ人もいます。消化器官の疾患によって自ら備わった排泄口から排泄ができなくなり、人工的に作られたもののことを言います。最近トイレで「オストメイト」という言葉を見かけるようになりましたが、これは、ストマを持っている、人工肛門、人口膀胱を持っている人のためのトイレです、という意味です。ストマには、人工肛門と、人工膀胱、がありますが、今回は人工肛門についてお話して行きます。
ストマにも二種類ある
ストマにも実は二種類あります。最終的に肛門が使えるか使えないか、という事が判断の基準になります。腸の一部を切除し、縫合して済む症状の場合、一時的に排泄物を出す場所を作って上げる必要が出てきます。これは、感染症防止や確実な縫合を念頭に置いてのことになります。この場合は、患部の縫合が完了し、漏れる可能性がなくなれば、元の肛門で排泄する事ができます。
皆さんが懸念するのは、肛門が使えなくなり、常に人工肛門で生活しなければならなくなる、という状況だと思います。これは、肛門から近い所に患部がある場合に起こります。
ストマを付けたくない
例えば今回の検診であなたが「人工肛門になります」と言われたらどのように思うでしょうか?実際問題、この宣告は突然にやってきます。消化器系に限った事ではありませんが、ガンの初期は全く症状のない場合が多いもの。ガンが発見された時には既に切除しなければならないという可能性はかなり高いのです。
でも、人間誰しも、人工肛門を積極的に付けたいとは思わないはずです。できれば自分の肛門で、と思うのが普通の人間の心理だと思います。
診断基準がいろいろある
患部が肛門から何センチの所にあるのかで、人工肛門になるかならないかが判断される場合があります。そして、これは微妙に担当医によっても判断が違うようです。まず第一に考えなければならないのは、ガンの治療は、完全な切除と再発防止をすることです。この事を大前提に考えます。
例えば、肛門から2センチの所にガンが発見されている場合、殆どの医者は人工肛門とする判断をするようです。しかし、一部の医療機関では、かなり肛門に近い部位でも、自分の肛門を残すことをする場合もあります。感染症の危険性、縫合の失敗、施術後のトラブルなど、総合的に判断して、やはりこの位だと人工肛門にするのが一般的なようです。
目的を再度確認する
がん治療の目的は、確実に患部を処置(切除)し、再発をしないようにすることです。無理やり人工肛門を避けた手術をして、感染症になったり、再発したりしたのでは、元も子もありません。何よりも優先されるべきことは、あなたご自身の命です。最終的にどうなりたいのかを再度考え、ご自身とご家族、担当医と、納得の行くまで話し合いをされることをお勧めいたします。ネット上には様々な情報が錯綜していますので、惑わされることなく、最終的には担当医の意見を参考にされることをお勧めします。
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