聞いて下さい!

 eBayで商品を販売していると、時々トラブルに遭遇します。大抵は何とかなるのですが、私は一度だけ、死ぬ思いで、全霊を込めて処理したトラブルがあります。あとにも先にも、これほどの気合いを入れたのは、このときだけです。それは、eBayで刀剣類を販売していた時のことです。様々な方が書いていらっしゃいますが、刀剣類を海外へ輸出するのは簡単ではありません。それができなくて、刀剣類の輸出を諦めている方も多いようです。私は刀剣類の知識こそ適当でしたが、このような誰もが知らない事や嫌がる事柄に関する知識を勉強し、自分のものとするのが向いているようでした。面倒くさい刀剣類輸出の手続きを全て独学で勉強し、そこそこの数をこなし、何とか使えるようになってきました。トラブルはその矢先に起こりました。大抵のトラブルは何とかなってしまうのですが、このトラブルには心底参ったので、ご紹介してみたいと思います。


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登録証

 ヤフオクで刀剣類を検索してみるとおわかりいただけるかと思いますが、刀剣類には登録証という、車で言う所のナンバープレートのようなものが付いています。これがなければ、日本ではその刀剣を所持する事ができません。万が一登録証のない刀剣類が発見された場合には、速やかに警察に届け出なければなりません。それ程までに、刀剣を取り扱うにあたって、登録証の存在は重要です。

輸出の際は

 刀剣を輸出する際には、この登録証を、発行された都道府県の教育委員会に返納しなければなりません。海外へ売れた刀剣は、日本を出る際には登録証がない状態で発送します。輸出をしたのに、登録証を返納しないと、法律で罰せられます。ですから輸出をした際には、速やかに登録証を返納する事が決まりとなっています。

売れた刀が大変なことになった

 私はとある刀をアメリカに販売しました。文化庁からの許可を得て、書類を添付し、日本郵便のEMSでアメリカに発送しました。無事にアメリカまでは着いたようなのですが、数日後に見てみるとどういうわけだか、ステータスが「返送」になっているのです。これがどの位大変なことかというのは、実際にやったことがある人でなければわからないと思います。仮に、このまま何もせず私の家に到着した場合、登録証のない刀剣類ですから、その時点でアウトです。すぐに警察を呼んで事情を説明しなければなりません。更に刀剣類を新たに登録するために、都道府県の主催する刀剣類登録の会場にその刀を持ち込んで、反りや長さなどを計り、銘や目くぎ穴の数を正確に見てもらい、登録の作業をする必要があるのです。これがまた、都道府県にもよりますが、最悪の場合だと一年に三回しかない場合もあるのです。ですから、相手が受け取らずに戻ってきてしまった場合、再登録、再輸出申請、再送するまでに、最悪の場合は半年くらいかかってしまう可能性があるのですね。これは困りました。

水際で食い止めろ

 半年もだらだらと手続きをするのはいやですので、私は考えました。返送された刀が正式に日本の国内に入ってくる前に、水際で、再度アメリカへ返送しようと考えました。私はいろいろな所へ電話をかけまくりました。しかし、刀剣の輸出自体、取り扱いが少なく、私の話すことを理解してくれる方を探すのが、とても大変でした。

東京国際郵便局

 私の住まいは東日本ですので、輸出入の郵便物は東京国際郵便局の取り扱いになります。こちらの方とお話をさせていただき、何度も電話を替わりながら、ようやく願い通りに手続きできる段取りが付きました。しかしそれには、私が直接東京国際郵便局に出向く必要がありました。

高速バス

 高速バスを予約し、交通費をかけて、私は東京都江東区にある東京国際郵便局に行きました。箱を取り替えようと思ったので、段ボールを持参しました。EMSの送り状も持って行きました。
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何とかなったけど

 最終的には、再度送料を払い、煩わしい手続きなしに、アメリカへ返送する事ができました。しかし、往復の交通費や大事な時間、電話も半日以上していましたので、かなりの無駄となってしまいました。今になって思えば、相手には送ったことも、いつ頃届くと言うことも知らせてありましたので、相手の責任において私が処理すればよかったのかもしれません。このようなケースで強く出ることができないのが、私の弱点でもあります。何とかなりましたが、心身共にかなり疲れた処理となりました。


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