正直に言いましょう、無理です。

 ANAが行う雇用維持、やる気は認めますが、日本を救う一つの方法となるのかどうかと言われるなら、まず、無理です。
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畑が違う

 ANAにお勤めの方におたずねします。これからの仕事は時給1000円ですよ、貴方のお給料は、1000円x労働時間x日数ですよ、と言われたら、どう思いますか?ちなみに私の妻は、地方のスーパーで15年働いていますが、時給は920円です。これでもいい方なんですよ。もちろん、同じ日本です。

条件

 全員がこの時給1000円を受け入れる事ができるのなら、全く問題ありません。でも、違いますよね。航空業界に入るために、皆さん、人よりも数倍努力されてきているはずです。そして、キャリアもあり、大変申し訳ないとは思いますが、お仕事にプライドももたれているはずです。そのプライドが一気に崩されてしまう現実に耐えることができる人は、それほどいらっしゃらないはずです。表面上はオッケーでも、心の底では何かわだかまりが残るのが普通です。私だって同じ状況に置かれたら、そう思います。

ほとんどの人の現実

 テレビやメディアを見ていて思いますが、週休二日だったり、季節毎の休みや有給、育児休暇等が当たり前のように取れたり、給料やボーナスがほぼ固定の状態で支払われたりと、そのような超一流企業に勤めているのは、日本の中でもほんの一部の人です。コロナ渦で仕事がなく、売上げがなく、会社全体が大赤字なのに、例え数十パーセントカットであろうと、給料やボーナスが問題なく支払われているという現実が、私には理解できません。この時点でアウトなのです。

 私は仕事を休めば、しなければ給料はそれだけ減りますし、ボーナスもありませんし、有給なんて制度自体が会社に浸透していませんし、週休二日にできないこともありませんが、それをしたら給料が一気に減ります。非正規雇用の日給の現実です。こんな会社、日本には沢山あります。

 給料は、固定してもらえるものだという観念で働かれている方、今後はコロナや情勢に合わせて賃金の支払い方法は激変して行きますので、頭の中を非正規雇用の時給払いへと切り替えた方がいいのかもしれません。なかなか難しいとは思いますし、現実は違うよという声が聞こえてきそうですけれど、これからはこうなって行くのではないでしょうか。終身雇用制度は既に崩壊しています。

無理に雇用を続ける弊害

 今回のように無理に雇用を続けると、様々な所に弊害が及びます。ANAはお金を借りて建て直すと言っていますが、最悪の場合、日本経済にとんでもない迷惑がかかります。出向先では、違う畑に溶け込めるかどうかが微妙な上に、仮に上手く行ったとしても、この人が入ってきたからどうのこうの、使える若い新人を採用する枠がなくなる、教えるのが嫌だ、などなど、現場での難しい弊害が予想されます。ハラスメントやうつ病などの温床になる可能性もあるでしょう。親会社と当事者の方々は雇用が守られるのでいいとは思いますが、それ以上に難しい問題が発生する可能性があります。

どうすればいいのか?

 コロナはどうにもなりません。コロナが過ぎ去ったとしても、リモートワークが普及し、今までのように飛行機で移動という事が少なくなることは、誰にでも予想できます。公衆電話が駅や街から殆どなくなったのと同じです。時代の流れでもうダメなのです。

 厳しいようですが、皆様のお仕事は、かつての量で戻ってくる事はありません。となれば、仕事はなくなるのです。これは仕方ありません。

 どうすればいいのかは、会社、皆様が一番良くわかっているはずです。

 コロナとは、こういうものなのです。そしてコロナ後、航空機の需要はどうなるでしょうか?先ほど書いた通りだと思います。

 仕事がないところに給料を払うなど、普通の会社であれば、誰もそんな事はしません。

 敢えて具体的な結論は書きませんが、経営も従業員も気持ちを入れ替えるしかないでしょう。義理で人を引っ張り続ける日本人の悪い癖から脱却しなければ、日本に未来はありません。

同様な状況の方へ

 コロナで仕事がなくなった、休業を余儀なくされている、今、コロナが過ぎ去るのを待っている、いろいろと対策をしているけれど、元に戻らない、等々、皆様それぞれ職種によって悩みはあると思います。

 冷静になって考えてみましょう。

 あなたの仕事は、コロナ後の社会で、どうなっているでしょうか?

 人々、社会はこの先、国を挙げ、世界を挙げ、コロナの感染防止対策、感染予防を今にもまして厳しく行います。ワクチンが出てきたところで、これは同じです。そうなると、先ほどお話しした公衆電話のように、必然的に必要なくなってしまうものが必ず現れます。あなたの仕事は、この中に入っていないでしょうか?

 ANAのような、かつては新卒大学生に大人気だった、あのような人気と体力のある会社でさえも、現実には、ここまでするのが限界なのです。この状況を見て、自分の状況と照らし合わせて、正しい判断が下せるか下せないかが、皆様のこれからの人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。

 今回のANAの対策には賛否両論あると思いますが、大切なのは、この現実を自分に当てはめて考え、判断し、判断に基づいて実際に行動することです。もしあなたが今、コロナで苦しんでいるのなら、一度これからの事を、冷静になって考えてみて下さい。コロナはかなり厳しい状況を世界中にもたらしています。元に戻らないものがあるという現実を知ることが重要です。

【参考】事前の研究が大事

 法令情報だけではなく、失業者が知りたいやや裏的な、役所には聞きにくいギリギリの本音情報が提供されていますので、もしよろしければご覧になってみて下さい。この手の情報は、特に今の時期、頻繁にアップデートされます。ネット上の情報、書籍での情報では、正確な情報が掴みにくいのですが、こちらなら安心です。

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