貴方の悩み、理解していますよ。

 安心して下さい。私はあなたの悩みを理解し、助けてあげる気持ちでこちらを書いています。妻は脳梗塞、子宮頸がんを同時に発症し、脳梗塞の後遺症から、うつ病になっています。貴方との状況を比べるのはナンセンスですが、世の中には突然の病で体が不自由になり、それが原因でうつ病になる人が沢山います。
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 妻は後遺症がひどく、死にたいと言い、毎晩泣いています。

 妻と貴方、うつ状態にある状況は同じです。何度も死にたいと言っています。妻の状況、心理状態、私は傍ですべてを見てきました。そして今、彼女は何とか仕事に復帰しつつあります。

 コロナ禍という特別な状況の中、貴方には数々の制約があり、子育てが辛いのが、私には理解できます。子育ての悩みを相談するにも、気を遣って、結局はどこへも行けない。毎日子供の面倒が大変で、大人と会話ができない。子育て支援センターもなかなか使えない。行政のサービスはハードルが高い。夫が非協力的で、ワンオペ育児になってしまう、など、様々な悩みがあると思います。

あなたも毎晩、泣きたい気持ちになっていますか?

 私の妻は、最後、

 「もう、泣く気力もないよ。死にたいよ」

 と言っていました。あなたもここまで息詰まっていますか?

 息詰まっていても、泣くことができるのであれば大丈夫です。一人で悩まず、きちんと行動すれば、道は開けます。具体的な方法をいくつかお伝えします。一番最後にお伝えするのが、私たちが状況を抜け出した方法です。

親、旦那さん、親しい友人、頼れる人がいれば、頼って下さい。

 簡単にご提案をしてしまう前に、私たち夫婦の体験を聞いていただけばと思います。

 妻は、実の父親が要介護の身体障碍者で同居しています。義父は子供である妻が大病になってもマイペースで、何ら変わらないばかりか、私たち夫婦に多大なストレスを与え続けています。ということで、親は頼りになりません。
 
 旦那である私は、できる限り妻に寄り添うようにし、いつも悩みや愚痴を聞いてあげるように心がけました。妻は最後には、眠れない、食事もできない状態になり、体力も落ち、ソファーの上で動けなくなってしまったので、時間が許す範囲で家事をしました。私の職場にも妻がうつ病を発症してしまった話をし、万が一の際には休ませてもらうかもしれないと、協力をお願いしました。妻の勤務先にも行き、上司に状況を紙に書いて伝え、同僚にも妻の状況の話をし、復帰には少し時間がかかってしまうかもしれない、もしかすると仕事を辞めなければならないかもしれないという事を伝えました。

 脳梗塞では、救急車で運ばれ、4日間集中治療室にいました。病院に行かねばならない日が沢山ありましたが、私も恥ずかしながら日給月給の非正規雇用ですので、何日も休んでしまうと、生活がままなりません。幸いなことに、妻には心から話ができる同級生の友人が一人おり、彼女が何度も通院に寄り添ってくれたり、食事に連れて行ってくれたり、買い物を手伝ってくれたりして、精神的にも、そして経済的にも大変助かりました。彼女はいつも笑顔で「家族と同じだからね」と言ってくれています。

親を頼る

 まずは、自分を生んでくれた親を頼ってみましょう。しかし、これも実家が遠い、既に年老いている等、なかなか上手く行かない場合があります。「昔はこうだったのに、こんな事もなんちゃらかんちゃら…」と、嫌味を言われてしまう事もあるようです。頼ってもストレスを感じるような場合は、やめた方がいいですね。

旦那さんを頼って下さい!

 こちらは、私たち夫婦にとって、一番効果のあった方法です。妻は精神を病み、「貴方だけが頼りだ」と、何回も言っていました。決して自慢ではありませんが、私は妻の職場に行き、上司や同僚に話をしましたが、後から「優しそうな旦那さんでいいね」と、何人もの人から言われたそうです。
 「旦那は仕事が忙しそうだから」「どうせワンオペなんだ…」「どうせ自分の時間が大事でゲームばかりしているだろう」と、相談もしないで旦那さんの行動を決めつけることはやめましょう。本気で貴方の辛さを相談し、甘えてみることが大切です。
 私は数えきれないほど、妻に泣かれました。私は決して彼女の言うことを遮ることなく話をしっかりと聞き、必要であれば励まし、抱きしめながら、優しい言葉を選んでアドバイスを続けました。

 男性側も努力が必要です。必要なら、状況を会社に伝え、理解を得るための行動をすることが重要です。日本の社会には、未だに男性が子供関係で仕事を休むと、陰で文句を言われる風潮が残っています。しかし、今はそんなことを気にしている場合ではありません。毅然とした態度で説明し、話をすれば、会社にも伝わります。

 貴方の状況を改善にするには、男性パートナーの協力が最も必要です。

とにかく、友人や行政のサポートなど、誰かに聞いてもらうことです。

 うつ病は、全く関係ない人に愚痴を言える環境を作ることで、かなり状況が改善されます。あなたはどうですか?誰かと話はできていますか?今のコロナ禍では、遠慮してしまい、なかなか難しいのかもしれませんが、何とか話せる人を見つけて、話を聞いてもらって下さい。行政のハードルは高いのかもしれませんが、遠慮することは全くありません。

最後の手段 お医者さんへ行きましょう。

 私の妻は、私ができる限りのサポートをしたにも関わらず、最後にはソファーの上で動けなくなってしまいました。これは、うつ病により、眠ることができなくなり、食べることができなくなり、体力が落ちてしまったためです。私はこの状況を真近で見ていましたが、本当にうつ病は恐ろしいなと感じました。

 うつ病が悪化すると、このようになります。こうなる前に、眠れない、食べられない、という状況が続くのであれば、早めに近くの精神科、あるいは心療内科を受診して下さい。

 あなたと同じく、私たちも精神科医の処方する薬が怖かったのですが、そんなことを言える状況ではありませんでした。藁にも縋る思いで心療内科の扉を叩いた結果、薬が効き、結果として状況を改善することができています。

 具体的には、待合室で横になってしまう寸前だった妻は、精神科医の処方する薬を二粒飲んだだけで、劇的に症状が改善しました。眠れるようになり、食べられるようになり、うつ状態もそれほど酷いものではなくなり、最終的には仕事へ行くことができるようになりました。
 
 精神科の病院は怖いと思いがちですが、今は薬の成分も研究され、いい薬が開発、処方されています。症状が辛く、誰にも助けを求めることができないなどの場合は、怖がることなく、心療内科を受診してみて下さいね。
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